第二章

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 突然、大地を揺るがす大きな地鳴りが辺りに響き渡った。「地震か?」誰かがそう叫ぶ間もなく、前方50メートルほどの地面から突然大きな土煙が上がり、中から金属質の刺で覆われた怪獣が姿を現した。  「全員ローバーメカ内に退避!」轟音をものともせず、班長の大声が響き渡る。こう言う時、班長は余計な事は一切言わない。「アキ隊員はローバーの防衛システムを遠隔操作、怪獣を攻撃。」「了解!」言うが早いか、無人の筈のローバー上部のハッチが開き、姿を現した砲塔から猛然と射撃が始まった。怪獣の動きが一瞬止まる。その隙に、俺たちは全員命からがらローバーメカ内に転がり込んだ。  「ガンテツ!全速で退避。カズタカは本部に応援要請。ボンタは俺とフライトメカ分離の準備だ!」気密服を脱ぎ捨てながらも、班長の指示は淀み無く続く。…気密服を脱いだ?  俺やガンテツの怪訝そうな視線に気付いたのだろう。班長は即座に一喝した。「バカ野郎、緊急事態だぞ、感染の心配なんざ後回しだ!」確かにその通りだ。一瞬の躊躇が生死を分ける事もある。俺たちは破り捨てるように防護服を脱ぎ、目前の怪獣に全神経を集中させた。     
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