第一章

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第一章

 地球は狙われている…らしい。  らしいが、俺たちにはあまり関係が無い。ここは都心郊外の某山中に設けられた、地球防衛隊極東支部の地下十五階にある特捜科学調査隊総務部総務課第三ブロックタカギ班詰所。まあ一言で言うと下っ端、ドラマで言うとモブキャラだ。  俺の名前は平凡太、二十五歳。普段はボンタと呼ばれているが、御察しの通り、ヘイボンと呼ぶ奴も居る。一度、オヤジになんでこんな名前にしたんだ、と食って掛かった事があるが、「良く考えろ、『太』の文字が付いているだろ?平凡だが、太く生きて欲しいと言う親の願いだ、感謝しろ。」とはぐらかされた。悔しい。  仕事の内容は多種多様だ。怪獣や侵略宇宙人の死体処理、瓦礫の撤去にご近所様のクレーム対処。まあ、医療班では無いのでグロい現場に出くわす事はまず無いのは精神的に楽だが、その代わり、いざ戦闘となった時は支援メカで出撃しなけりゃならない事がたまにあるから、ロッカーには支給品の喪服が常備してある。幸い、まだ一度も袖を通した事は無いが。     
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