もう一つの幸せ

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部屋に戻って歯ブラシを終えてからずっと、蓮は俺にベッタリとくっついている。 ヘッドボードに寄りかかる俺の足の上にまたがって、首に腕を回して隙間もない程にベッタリくっついていて…。 キスしていいんだか、触っていいんだか、全くわからねーし…。 泣いては…いないみたいだけど…。 「…蓮?眠いの?ベッドに入る?」 くっついたまま、何も言わない。 「蓮は…くっつき虫だな」 慶太郎の言葉に、やっと蓮が顔を上げた。 悲しそうな表情をしている。 「蓮は、家でもよくこうやってくっついてくるだろ?だから、くっつき虫だ」 少し笑いながら、目を細めて蓮を見つめていた。 二人の時しか見られない、蓮の大好きな顔だった。
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