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翌朝の朝食の席に、万里と桔平は遅れてやってきた。
お茶を飲みながら、隣のテーブルに座る二人を蓮は見ていた。
楽しそうに話しをしながら、二人は食事をしている。
「…サエちゃん、マリちゃん……可愛いねぇ」
少し赤みの差した頬が、特に可愛らしかった。
「…桔平さん、どうやって万里を手懐けたんですか?」
サエは突如として、桔平にそう声をかけた。
「サエちゃん、手懐けたって…」
少し驚いた表情の後に、桔平はプッと吹き出すと面白そうにサエを見た。
「…私、マリのそんな顔…初めて見ました」
「なに、そんな顔って…。変な顔してる?」
マリは怪訝な表情でサエを見つめた。
「マリ、恋してる顔してる…あ、いや、二人は付き合っているんだから当然恋しているのだろうけど…」
「ち、ちょっとサエ!変なこと言わないでよ」
「本当だよ。昨日の露天風呂の蓮の顔と同じ。…桔平さんが好きで仕方ないっていう顔してる」
マリは顔を真っ赤にすると、無言でご飯を掻っ込んだ。
箸を置くと、桔平を残して足早に会場を後にした。
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