もう一つの幸せ

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「…慶太郎」 鼻をすすりながら、蓮は濡れた瞳をあげた。 「…キスして」 慶太郎は少し笑いながら、蓮に唇を寄せた。 俺のくっつき虫は泣き虫で甘ったれで、その上寂しがり屋だときた。 一人で日本にいれるのか? 俺を待てる? …もし、一緒に行こうと言ったら…来ないな。 あの中華料理屋で、一緒には行かないと言われたじゃないか。 一緒に行こう。 いや、連れて行く。 そう言えれば…な。 心配で心配で仕方ない。 残して行けないよ。
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