もう一つの幸せ

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どうしよう…。 私、余計なことをしてしまった? マリちゃん…。 「…ごめん、私余計なことした…」 マリは微笑むと、カバンからチョコを出して一粒蓮に渡した。 「余計なことじゃないよ。桔平さんに会ったら、明日のこと聞いてみるね。ありがとう」 マリの笑顔に蓮はホッとした笑みを浮かべた。 マリちゃんは優しい。 私もサエちゃんもルリちゃんも…わりとよく怒るけど、マリちゃんはほとんど怒らない。 いつも少し下がったところから、私たちを見守っている。 そのマリちゃんを傷付けたら、いくらきーにいちゃんだって…許せないよ。 それとも…最初に慶太郎が言っていたみたいに、二人は本気の付き合いではないの? ……なんとなく、遊びで付き合ってるの? そんなことはないよね? マリちゃん、今朝泣いていたもん。 きーにいちゃんが好きだって泣いてたもん。 きーにいちゃん、マリちゃんを大切にしてあげてよ。 蓮はやるせない気持ちを抱えたまま、外の景色に目をやった。
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