焦り

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「ちょっ…ちょっと待ってってば!」 慶太郎の肩を押すと、唇を離した。 慶太郎は完全にスイッチが入っているようだった。 「あの…エッチなことしたくて一緒に入ろうと言ったんじゃなくて……一緒に温まって色々な話したいなって、楽しくお風呂入りたいなって…イチャイチャぐらいなら……いいけど」 「じゃあ、これはイチャイチャのうちだろう?」 そう言うと、また蓮の口の中に舌を絡めた。 長い指がニットの裾からウエストを撫でた。 舌が、耳朶に触れて耳を刺激する。 「…慶太郎は…エッチなことばっかりだ…」 気持ち良さそうに呼吸を荒げる隙間から、囁くように蓮が言った。 当たり前だ。 毎晩、セックスしたとして。 あと、十一回しか出来ないんだ。 その後は、触れることすら出来ないんだ。 俺の感触を忘れないように、今のうちにたくさん覚えさせるんだ。 蓮が、俺とのセックスを忘れないように。
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