焦り

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湯船の中から、髪の毛を洗う慶太郎を見ていた。 肘を上げて頭に長い指をかけて洗っている。 この時の肩から二の腕のラインが蓮は好きだった。 あの腕に抱きしめられているのかと思うと…すごいドキドキする。 あ、あと、ウエストから腰のラインも好き。 少し角ばった腰の骨が好き。 でも一番好きなパーツは…指だな。 初めて会った時から、あの長くてキレイな指が好きだと思った。 ………さっきまで、あの指が私の中で動いていたんだ。 ベッドに行ったら、あの指で私の身体を…。 「蓮、顔真っ赤だぞ?先に出るか?」 身体も洗い終わった慶太郎が、湯船の中に入ってきた。 「う、ううん。大丈夫…」 いやだ、私……慶太郎とのセックスを想像してた。 慶太郎のこと、言ってられないじゃない。 蓮は頬を押さえると、慶太郎の広い胸に寄りかかった。
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