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ーーやはりいつも通り、敬吾が先に目を覚ました。
布団にうもれたままあくびをし、伸びをして体を起こすと目の前に髪が降ってくる。
(そーだった……)
すっかり柔らかくなった髪を掻き上げ掻き上げ、全く妙なことをしてくれたものだと平和そうな逸の寝顔をつつく。
逸が夢うつつに困ったような顔をしたのが興をそそって敬吾はそのままいたずらを続けた。
むにむにと頬やら鼻やらつまんでやる。
「おーい、朝だぞー」
「んん…………」
「岩井ー、起きろー」
言いながらも頬をつねっていると、逸がその手首を掴んだ。
「にゃに……もー……」
「ぶふっ」
「やめ……」
「あーさーだ、って」
「んん………」
手首を掴んでいた逸の手が、犯人でも追うように敬吾の腕を遡っていく。
「やーめーなさいって……」
目は開かないものの不思議そうに歪んでいた顔を笑わせ、逸が言う。
起きてはいるのだろうか。
逸の手が肩にかかり、そのまま首を撫でて後頭部に回る。かしゃかしゃと髪を掻き乱す頃には逸は楽しげに笑っていた。
「だい……、やめろいてえよ」
言うなり、がばりと体を起こして敬吾を組み敷く。
「ーーーいっ!」
「こら、大っ!」
「ーーーーーーー」
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