悪魔の証明

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逸をして一言目に長身だと言うくらいだから実際上背はかなり高く、そんな人間は敬吾の知り合いには一人しかいない。 そしてその体格が、悪い方向に活きてしまった人物でもあった。 「なんだろな、しばらく会ってねえけど。メールとかじゃなくいきなり店来るって」 そう言えば、自分のバイト先をどこで知ったのだろうーー?と敬吾がぼんやり考えると、逸はそれを複雑そうな顔で眺めていた。 「……友達ってほどでもない感じですか?」 「やー、友達……、腐れ縁?付き合いは長いんだけど遊ぶだなんだはほとんどしてないな……」 特に、高校以降は。 こちらも少々複雑な気持ちになりながら敬吾は皿を運ぶ。 逸もそれに続いてテーブルにつき、敬吾のその表情を盗み見た。 「?なんだよ」 「いえ、なんでもないです。いただきまーす」 「……?いただきます」 「んー、うまいっすー」 「カレーだからなあ」 余程のことがなければ誰が作ってもこんなものだ。 そうは思うものの、とりあえずその余程のことにならなくてよかったと、敬吾は苦笑しつつ幸せそうな逸の顔を面映い気持ちで眺めていた。
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