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「だーっもう、岩井!進まねえだろ!!」
「んーーー……。」
「はーなーれーろっつうの、もーーー……」
浴槽の縁に腰掛けた逸が、湯温を確かめている敬吾の腰に抱きついている。
やたらと跡を付けたがって離れない逸に、敬吾の瞳が底光りした。
「んわー!!!」
「っとにもう!ほんっとに犬かおめーは!!」
頭から豪快にシャワーを浴びせられ、さすがに逸も腕を解いて防御に回す。
ほぼ意味は為さないが。
濡れた犬よろしく、笑いながら頭を振ってから逸が張り付く髪を掻き上げる。
それが妙に様になっていて敬吾としてはなんとなし納得の行かない気分だった。
「ひどいー」
「朝っぱらから盛んな!」
「盛ってるんじゃなくていちゃいちゃしたいんですー」
立ち上がり、今度は背中から抱きつかれて敬吾が呆れた顔をする。
「なんなんだよそのテンションはー………」
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