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アクティブ・レスト &
「ひやーーー、逸くんのお陰で助かったよー!」
逸と同じく、定休日を利用して連休を取った篠崎は、出勤するなり敬吾の背中をばんばんと叩いた。
「ですね。店長もお疲れ様でした」
「敬吾くんもありがとねー!もう皆優秀で助かるー、特に逸くん今回凄かったです」
「そうなんですか?」
にこにこと機嫌良さそうな篠崎に、敬吾もなんとなし面映い気持ちになって笑う。
「そうだよー!なんか……」
「?」
篠崎の顔が徐々に明度を下げた。
「……敬吾くんの片鱗を見た」
「なんですかそれ」
「まあ……逸くんの方がちょっと優しいけど」
「なんで俺貶められてんですか?」
二人真顔で言い合った後、敬吾はため息をついて未集計の伝票に手を伸ばす。
「つーか、俺がどうじゃなくてそういうポジションのスタッフが必ず一人はいますよね、この店。俺の前は真帆さんだったし、その前篤さんでしょ」
「そうだねー、人材にはめっちゃ恵まれる」
恐らくはそれが篠崎の最大の能力だ。
「まあでも皆学生さんバイトだったり短期だったりで卒業してっちゃうんだけどねー、……と思ったらやっぱ逸くんて異端だよね。なんでフリーターなんかしてんだろ?何の仕事でもできそうなのに」
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