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パソコンを立ち上げながらこともなげに篠崎が言い、敬吾は紙の束を机で揃えた姿勢のまま瞬く。
その間篠崎はまた軽い調子で「俺は助かるからいいんだけどねー」などと言っていた。
「あー……考えてみたらまあ、そうですね」
「でしょ?高校も頭いいとこなんだよねえ」
「えっ、そうなんですか」
「うんーーああ、敬吾くん地元じゃないから知らなかったのか」
「そうですね……まあどこ卒か聞いたこともなかったですけど」
「そっか。進学校なのに勿体ないよねー」
「へえー………」
またとんとんと紙を揃えながら、敬吾は考えを巡らす。
「まあ確かに馬鹿だけど馬鹿じゃない感じは受けます」
「あっはっは!すげぇ分かるそれ!」
すっかりツボにはまってしまったらしく篠崎は長いこと可笑しそうに笑っていた。
が。
「ところで店長、この伝票なんすか?見たこと無いんですけど」
「あっ、それねー面白そうなレトロ玩具の問屋さん見つけちゃって!とりあえずひとセットーー」
「まーた勢いでそんなことして!この店のどこに新規のコーナー作んですか?つーかほんとに売れんの?」
「だっ、だってサンプルくれるって言うしーー」
「レトロ玩具なんかほぼ雑貨でしょうが!そんなもんより水野さんと交渉して最新玩具のサンプル貰って!パッド系とかのやつ!!掛率半端ないやつ!!」
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