後藤の受難

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「あっじゃあ、ここの代金持たせてくださいーー」 これには全員が止めに入った。 「いやいや学生さんにそんなことさせられないでしょ!」 後藤に言われると、柳田は驚きもせずに「いえ一応社会人なので」と応じる。 そして全員が、社会に出られる最も若い年齢とは、と考えだした。 なぜか恐る恐る、後藤が口火を切る。 「……えっと、何歳?」 「26です……」 「えええ年上ぇ!!?」 「えっ!!年下ですか!!」 若く見られることには慣れているようだが、後藤が年下だったのには驚いたらしい。 後藤と柳田は驚愕の表情で固まっていた。 徐々に解凍され始める後藤が、非礼を詫びる。 「うおー……すいません、なんか」 「いっ、いえいえ……慣れてるので」 衝撃冷めやらぬまま、なんとなく柳田にご馳走になることになり、その柳田は頭を下げ下げ帰っていった。 「……あれ、あの人忘れ物してる。俺ちょっと行ってきますね」 「ん?おう」 敬吾が応じる前に逸は席を立っていた。 それを不思議そうな顔で敬吾が見送り、後藤は一息ついてコーラを飲んでいる。 「しかしお前はなに、そんな人助けしてんの?」 後藤が不思議そうに片眉を下げた。     
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