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「人助け…………?……あーさっきのね。そういうわけじゃねえけどさー、ああいうヒョロいのとか女の子が絡まれてたら放っとくのも後味悪いだろ。俺割って入るだけで大体解散になるし」
「へー」
確かに、良からぬことをしているところにこの巨体がぬっと現れたら相当恐ろしいことだろう。
「なんだ。制裁してんのかと思った」
「ははっ!まあすることもあるよ?たまーに逃げないで絡んでくるやついるし、誰かさんに振られてこっちが苛ついてた時もあったし」
敬吾が咽ているところに逸が戻ってくる。
「ごほっ……、……間に合ったか?」
「えっ?ああ、はい」
妙に爽やかな笑顔でそう言うと、逸は後藤に向き直った。
「つーか、ほんとに俺たちなんで呼ばれたんですか?後藤さん一人でどうとでもできたでしょ」
「あのねえ考えてもみろよ、俺ひとりであんなリスみたいなの捕まえててみ?お巡りさん来ちゃうだろ!」
「あー」
「とりあえず敬吾がいれば犯罪臭は消えるかと思って」
対極の救援だったか。
「でも敬吾さんも、後藤さんといると若干インテリヤクザ感」
「なに?」
「あーほんとだ」
「はあ?」
「すみません」
「ごめんなさい」
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