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「大丈夫、こわくないですよ……ちから抜いて?」
「やだ!……やだ………っ」
逸の声からもぞくぞくと震えが走り、敬吾は更に逸の背中に縋り付いた。
「いちっ、やめ……」
「敬吾さん……」
ーーそうできるなら、してやりたいほど敬吾は張り詰めているが。
逸ももう引き返せないところに来ているし、なによりーー
「……っでも敬吾さん、半分いってる……でしょ、?」
「ーーーーーー!」
「これ……このままには、できませんよ、」
優しくそう言われ、また涙が溢れ出す。
逸は無理にでも解き放ってやろうと、それでも進んで身を任せて欲しいと、また違うところを抉った。
「俺がちゃんといます、から……ちから抜いて?」
「……………ふ……っ、」
「敬吾さん………」
「ん…………っ!!!」
逸の優しい声が、呼び水のようだった。
怒涛のような快感が溢れて、敬吾は激しく昇り詰める。
局部的ではない、全身に波及する突き抜けるような快感が、いつまでも身体を震わせた。
今にも叫び出しそうな喉を必死で締め付けるせいで、快感はいつまでも抜けていかない。
それに加え、逸が熱を吐き出しながらも打ち付け続けるから尚の事だった。
しばらくは、濡れた音と悲痛な喘ぎ、互いの名前だけが部屋に満ちていた。
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