可能選択肢

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敬吾は心底訝しげに眉根を寄せるが、逸は名探偵もかくやという顔をしていた。 「いや……俺加減してたんですよ、敬吾さん良すぎるの嫌いだし泣いちゃうから」 「うっ、うるさい……」 「でもなんか……」 「いや、待てって話がつながんない……何言ってんの?」 「……?ーーああ、」 逸はそこでやっと思い至った。 敬吾にそもそも知識がないのか。 「そっか、すみません。えーと、だから……」 逸の声が急に遠慮気味になる。 「……こっちは触んないで、イッてみませんか?という」 逸の指が敬吾の中心に控えめに触れた。 それでもまだ敬吾は分からなかった。 あまりにも分からなくて、触れられた感覚も鈍いほど。 「………?そんなのあんの?つーか、何の意味があんの」 「意味って……またそんな冷たいことを……」 「いやそうじゃなくて、単純に不思議なんだよ……なんつーか、お前メインだと思ってた、っていうか……?」 「んー……?あー……」 敬吾はうまく説明できなかったと思っていたが、逸は敬吾が予想するよりも大分確実にその意味を捉えていた。 やや時間はかかったが。 「……なるほど。いや、確かに今のとこ気持ちいいのはほとんど俺なんですけども」 探り探りそこまで口にしたあたりで、逸の脳裏に流れ星のような閃きが走った。 「ーーああ!だから……そっか、」 「?なに」 「いや、あのね敬吾さん……」
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