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渇望していた熱と動きを与えられて、恥じ入るのも傷つくのも忘れ文字通り頭を下げて没頭してしまっている。
確かに昨夜をそのまま引き継いでいるように敬吾は熱に溶かされていた。
ーーだが。
「昨日は敬吾さん、かなり深くイッたでしょう?」
「………へ、……?」
「満足してもらえたと思ってたんだけどなあー」
わざと拗ねたような口調で逸が言うと、手放したい理性を引き寄せられて混乱したように敬吾が頭を振る。
確かに、快感は普段の比ではなかったが。
「……っわかんない、っ……なんも出なかった、し……っ」
「えっ、出なかった……?」
「ずっと、っふわふわして、」
ーーそうだったろうか。
そんなこと考えもしなかったから、気付かなかったのか。
「あれかなあ、ドライとか言う………」
「ん…………、」
負担を掛けてしまったかもと逸は半ば真剣に考察するが、敬吾にはもう聞こえていない。
潤んで伏せられた瞳とゆるく開かれた唇を間近に眺め、逸は生唾を飲み下す。
「……っまあ、どーーでもいいっすねそんなことは!」
「あ……っ!」
言うなり逸は、乱暴に敬吾を押し倒した。
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