0人が本棚に入れています
本棚に追加
必修科目の四時限目
最後列に陣取って
あくびを無理矢理飲み込んだ
私語の嵐の向こう側
淡々と紡ぐしゃがれ声
ふせたレジュメをかき寄せて
眠るに眠れず夢うつつ
スローモーションの秒針
何もかもから逃げ出して
今じゃこんな場所で一人きり
黒かった肌は白くなり
追い詰められることもない
惰性で通う毎日と
だるさに沈む鉛の身体
私がひたすら跳んだ頃
いつも何かに追われてた
重力も汗も世界さえ
何もかも全て振り切って
早く逃げたいと願った
砂にまみれて転がって
あんなに自由だったのに
机の端の赤い缶
汗を流して立ち尽くす
スチール缶を倒したら
ぱちぱち弾ける炭酸も
宙へ向かって飛べるかな
閉じ込められた部屋の中
気づいたときにはもう遅い
最初のコメントを投稿しよう!