めねじとおねじとあまりもの

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家に居たっていつも あっちへ行けって言われるの 邪魔でしかない役立たず ぼくはいつでもあまりもの 近所の路地裏を歩いたら 暗い倉庫に辿り着く 鋸トンカチ木のかけら 隅っこのケースを開ける 山盛りのねじうずたかく ぼくにとっては宝箱 めねじとおねじをかき分けて 組み合わせては戻すんだ 斜めに潰れた丸いねじ 欠けてしまった細いねじ 顔を上げたら夏の風 顎の先から汗が落ちる おねじをめねじにはめ込んで 綺麗に揃った箱の外 あまったねじをポッケに詰めて 重く揺らして立ち上がる いつも誰もいない倉庫で もう使われることもないでしょう 邪魔でしかない役立たず ぼくとおんなじあまりもの
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