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沢山の数字が書かれた紙が貼られたボードを君と2人でドキドキしながら手を握りしめ合い、見つめて自分の番号を探した。僕はすぐに見つけられたが君の番号は中々見つからなくて。もう無理だって君は泣きついてきたから僕が見つけなきゃ、と必死になって君の番号を探したことを覚えている。数分たって、ようやく僕が君の番号を見つけて君に見つけたよって言おうとしたら君は立ったまま僕に寄りかかって寝ていた。 仕方ないなぁ、と小さく呟きながら近くの公園のベンチに君を座らせて僕の肩に頭を寄りかからせた。 とっても気持ちよさそうに眠る君に、僕は胸を締め付けられた感覚を覚えている。これが、僕の初めての恋だった。 高校生になって、登校初日。 桜の花びらが僕達の入学を祝福をするようにはらはらと舞い落ちていっていた。 中学の時も登校初日はドキドキしていたけど高校の方がドキドキしていた。 君は真新しい制服の匂いが好きらしくて、ずっと制服の匂いをかいで「嘘じゃないよね?」とずっと僕に確認してきていたのを覚えている。 高校は勉強を全然理解出来なくて君と僕は焦って毎日部活がない日は僕の家や君の家で泊まりがけで勉強をしたりもした。とっても楽しかった。
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