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けれど、正体を突きとめるような野暮なことはしない。もし、それで鼻歌をやめられてしまっては本末転倒である。
しばらく耳をかたむけながら、音色を楽しむ。鼻歌の主はときどき音をはずしながらも、気持ちよさそうに鼻歌をつづけている。不思議と嫌な感じはしない。むしろ心地よさを覚える。
知らないうちに、自分も釣られるようにして鼻歌を小さく歌っていた。
走馬灯のようにすぎ去っていく毎日の中で得たお風呂の幸せを味わいながら、しばしハーモニーを楽しんだ。
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