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だったのに、なんで今楽屋には警察官がいて、ライブが終わると同時に龍埜さんを連行する。なんて言っているんだろう。
おれのこと、「日本一のバンドのスタッフにしてあげるよ!」なんて笑いながら言ってくれてたのに、こんなことになったら無理じゃないか。
事態が把握できなくて何も考えられなくなっている俺を置き去りにしたまま、どんどんライブは進んでいく。ライブが終わったらどうなるか。なんて考えたくない。
「おい、まだ終わらないのか?」
なんていう警察官の声で我に返った
「あ、えーと、今日はワンマンで持ち時間もかなり長いんで、あと一時間くらいは掛かっちゃいますね」
「おいおい、そんなに待てないぞ。こうなったら、ライブを中止させるしかないな」
「いや!! それだけは勘弁してください!! お客さんたちには満足して帰って欲しいんですよ。それに、お巡りさんたちが龍埜さんに何の用かは知りませんけど、変な噂が立ったら今後の活動にも差し支えるし……」
「はあ、仕方ないな。しかし、お前たちのバンドに今後なんてあるのかねえ……」
警察官のその一言で、俺たちの今後が決定されてしまうように思えて、耳を塞ぎたくなった。
「何があったって、俺たちのチームは無敵なんですよ! お巡りさんに心配してもらうようなことはありません!」
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