湖に消えた先輩

5/6
前へ
/121ページ
次へ
 結果的に実施の判断、転覆した時の対応にミスがあったと学校側は謝罪。マスコミから非難された。  七瀬先輩が発見されたのは、日曜日の午後。湖底を捜索していたダイバーが、湖底に横たわる七瀬先輩を発見した。  警察の見解は、転覆したボートに激突したか、一気に大量の水を飲んだかで失神状態となり、そのまま湖底に沈んでいったのだろうということだった。遺体の損傷が激しくて、詳しいことは分らなかった。  僕は何度も頼んだのに、通夜の時も葬儀の時も、七瀬先輩の最後の姿に会わせては貰えなかった。  葬儀の時、僕は泣きながら棺を開けようとした。サキ先輩が必死で僕を抱きとめた。   「七瀬先輩に会うんだ!」  泣きながらサキ先輩に抵抗し、最後はビンタをされた。サキ先輩に、こんなことされたの初めてだった。  その場にひざまずいて泣いてると、サキ先輩も僕の肩を抱いて一緒に泣いた。  僕と七瀬先輩の永遠の別れとなった。  僕は引率の責任者の丸山先生を憎んだ。  覚えてないけど、  「先輩の仇をとりたい」 と何度も繰り返し言ってたって話。  多分、そうだったんだ。  クライメイトは、  「ナイフを隠し持ってる」     
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加