プロローグ

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   高蔵高校一年・日下健(賞状及びノートパソコン、タブレット各一台)    一年上の相澤七瀬先輩は、本当にひどい先輩だ。  僕らは小学校からのつきあいで、お互い本が好きだったから、最初は図書室で肩を並べ て本を読んだのが始まりだった。   そのうちに、将来小説家になろうって決意しあって(先輩は腕力が強いんで半ば強制的に決意させられた。プロレスのファンだって後で知った)、ずっと一緒に合作小説を続けている。   ペンネームは『日下七瀬』。  童話で五回入選したけど、先輩は自分のおかげだと胸を張ってる。僕だって努力したのにぜんぜん認めてくれない。賞品の図書券は先輩がひとりで使って、読み終わったお古の本を押しつけられる。  先輩は僕のこと、勝手に『弟子一号』って呼んでいる。先輩の親友で、やっぱり小説書いてる高木サキ先輩のことを『弟子二号』って呼んでいる。 僕は先輩の後輩で合作のパートナーだけど、弟子になったつもりはない。 でも文句を言うと、どんな目に合わされるか分らない。  学校でいじめられないのはバックに先輩がいるお陰だと決めつけられれば、沈黙するしかない。     
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