サキ先輩からの電話

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サキ先輩からの電話

 ずっと、七瀬先輩を喜ばせることばかり考えていた。   今の僕が七瀬先輩を苦しめてる・・・  こんなにつらい言葉ってない。  だって僕・・・その通りだって分かってるから・・・  これ以上、サキ先輩の話を聞くなんて、絶対出来やしない。  席を立つ。テーブルに僕の分の代金を置き、そのまま店を出た。  「だから七瀬のことは君が・・・」 ってサキ先輩の言葉が聞こえてきたけど、  「だからどうしたらいいのか」 までは聞いてない。  自宅に帰ってしばらくしてから携帯が鳴った。  知らん顔してた。  何度でも鳴る。  しかたなく携帯を手にする。  サキ先輩から・・・  「あのね。日下君。私、怒ってないよ。  君の気持ちはよく分ってるの。本当だから・・・  でもこんなこと、これからはなしにしようね。  お店でね。ひとりでベラベラしゃべってるこわい人に思われたじゃない」  サキ先輩からの説得。  今後、電話には絶対に出ること。ハイ・・・
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