27人が本棚に入れています
本棚に追加
「シングルの人間はマジムカつく」
「日下が、『ドラ猫』の『カレ氏』じゃなきゃ、とっちめてやるのに」
って大不評だった。
副賞の賞状とパソコンだけど、七瀬先輩にパソコンを渡し、僕はタブレットを選んだ。
僕が先輩の家にパソコンを持ってったら、
「君が使いなよ」
って言われた。
でも僕、どうしても先輩に使って欲しかった。この時、ハッキリと自分の気持ちを先輩に伝えた。
「先輩のお陰なんです。今までありがとうございます。
このエッセー、先輩に捧げたいと思って書いたんです」
その時、七瀬先輩ったら、今まで見たこともないようなやさしい顔で僕を見つめた。
しっかり手を握ってくれた。
「『ずっと一緒に小説書いてこう』って言っても怒らない?」
「約束します!」
七瀬先輩ったらぼくの肩をハグしてくれた。その時、七瀬先輩の声は少し鼻声だった。
「私が生きてる限りね、健ちゃんが、私から離れること、絶対許さない。
裏切ったら契約違反で裁判だ」
この時の七瀬先輩の言葉。一字一句、心のレコーダーに記録されている。
そうするつもりだったんだ・・・
なのに七瀬先輩が・・・
僕から離れていったんだ・・・
僕、たったひとりになった・・・
最初のコメントを投稿しよう!