湖に消えた先輩

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って毒づきながら、先輩の自宅で傷口を消毒して包帯を巻いてくれた。  診察料は受け取らなかった。  逆にフレンチトースト、ご馳走してくれた。  毎日、会った。  毎日、話した。  合作の小説のアイデアのこと。  いま、ふたりで一緒に書いてる小説のこと。  そして毎日、笑いながら怒られた。  そう。ぼくが高校二年の七月までは・・・   毎年七月中旬。期末試験の後。三年の進学コースのメンバーは、受験に向けた三泊四日の学習合宿がある。  学習合宿までの約十日間。  先輩は準備が忙しく、一緒には帰れなかった。  毎日のように合作小説で七瀬先輩の家に寄っていたのに、ストレートで自宅に帰った。 準備で帰りが遅くなる関係。三年の進学コースの始業時間は遅くなって、朝の登校も別々。  僕が中学三年、七瀬先輩が高校一年の時だった。  朝、待ち合わせして途中までは一緒に歩いた。  帰りだって同じだ。  待ち合わせて七瀬先輩の家に寄った。  こんなに長くまったく別々に過ごすなんて、しばらくぶりだった。     
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