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クラスメイトの友達に保健室へ言ってくると言付けておいて、フラフラとした足取りで保健室へと向かう。
地面をちゃんと踏んでいるのか自分でも分からないくらいだ。
そんな千鳥足で階段を下りようとした時、
「あっ」
階段を一段踏み外したのだ。
このままじゃ踊り場まで落ちちゃうとぎゅっと目を瞑ったときだった。
「新山さん!」
誰かが私を包み込むように抱きしめたのだ。
ビックリして目を開けると、其処には篠崎くんの姿があった。
「し、し、篠崎君!? どうして?」
「いや、あまりにもフラフラで教室から出る新山さんを見かけたから、心配になって付いてきたんだよ。良かった、間に合って」
篠崎くんは安堵した表情で私を見た。
すると、次の瞬間。
「保健室まで運ぶよ」
いきなり篠崎君は私を背中に背負ったのだ。
余りの突然の行動に私の頭の中はパニックになった。
「篠崎君!? 私一人で大丈夫だから!! ちゃんと歩けるから!!」
「だぁめ。また階段に落ちそうになったら危ないだろ? それに……」
篠崎君はゆっくりと階段を下りながら口を開いた。
「怪我でもされて、新山さんが学校休まれたりしたら、俺、寂しいから」
「へ?」
彼からの言葉に変な声が出た。
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