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これからどうしたらいいんだろう、ジェイの頭にはそのことしかない。
「あれこれ聞きたいわけじゃないし、あんたも余計なこと言わないでいいから。それよりまず冷静になりなさい。私の見た感じじゃ誰も気づいてないから大丈夫。ただね、あそこ、みんなが課長を支持してるわけじゃないの」
「だってみんな仲いいじゃないですか」
「表立って敵対心表わすわけ無いでしょ? 気をつけてほしいの、田中さん。あの人は課長のポストを狙ってる。救いなのは、あいつこういうことには疎いってことよ。ロマンスとかってバカにしてるからそういう意味じゃ大丈夫よ。でも知られたらそうはいかない。格好のスキャンダルになるわ」
蓮の立場が悪くなる…… ゾッとするのと同時に吐き気を催した。
「おれ、離れた方が……」
「こら、そんなこと言ってんじゃないわよ。あんたのそういう天然なとこが課長はいいんだろうけど、そのままじゃ通用しないから強くなんなさいって言ってるの」
「三途川さん、変ですよ…… どうして? 俺とれ……課長のこと止めないんですか?」
「なんで? これも私だから分かることかもしれないけど、課長幸せそうだわ。あんたほど目立たないけど目が優しくなった。前は時々子どもっぽくって、ま、そこが好きだったりしたんだけど今じゃすっかり大人の人だわ。それ、あんたのせいでしょ? ならいいんじゃない?」
自分の存在が蓮にプラスになってる? 三途川のような人が初めてで、そのことにも戸惑いを覚える。
「私、課長とのやり取りが好きなんだと思うの。そういう意味じゃこれからも変わんないと思うのよ。つまり本物の恋とかいうのとちょっと違ったってところかな」
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