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「思ったよりいい匂いだな。花の香り? お前には似合うけど俺にはちょっと無理かなぁ」
「い、いいよ、蓮は今まで通りで。蓮の匂い好きだから。買い物しててどうしても使って見たくなっちゃって」
「いいんだよ、珍しいじゃないか、自分の欲しい物素直に買うなんてさ。これからもそうやって買い物していいんだからな」
一瞬焦った。蓮まで同じ物を使ったら意味がなくなる。たしかに三途川の言う通りだ、同じ匂いは良くない。夏になればもっと目立つことだろう。
それでもこの香りは蓮の気に入ったらしく、頭に鼻を埋めてはくんくん嗅いでいる。それがだんだん可笑しくなってきた。
「連、犬じゃないんだから」
「なんだと?」
「だって匂い嗅ぎっぱなしって」
「頭だけじゃないさ、体からもいい匂いがする」
そのまま蓮の顔がすぅっと下に降りていった。
「ぁ……だめだ……って、明日朝、から企画会議……」
「分かってる。しないから」
そんなことを言いながらも蓮の手が体をまさぐっていく。
「だめ……っはぁ……」
「じゃなんでこんなになってるんだ?」
「そ……れ、れんがわる……あ」
何度も営みを繰り返してきたからジェイの体にはすっかり蓮の手が馴染んでいる。だめだと言いながらも自然蓮の頭を抱いてしまう、背中に手が回る。先を先をと欲しくなる。
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