あっ、もうこんなに時間が経ってた。

父と娘と

父「この写真に写ってるの、誰だと思う？」

琴音「見せて見せてー。お父さんと琴音だよね?　あ、違う、健斗だ。だって男の子だもん」

父「そう、この写真は健斗が生まれて初めてお風呂に入ったときの写真だよ」

琴音「健斗と一緒にお風呂に入って、おとうさんスゴく笑ってる」

父「健斗が初めての赤ちゃんだったから、お風呂に入れるのも怖かったよ。ツルツルしてるし小さいし。顔は笑ってるけどね。あと、12年前だからお父さんの髪もまだ結構あるだろ？今はハゲちゃったけどさ」

琴音「お父さんはハゲじゃないよ。ちょっと薄いだけだよ。それに変な薄くなりかたじゃないし」

父「ありがとう。琴音もそんな風な気を使った話し方が出来るようになったんだね！すごいね！」

琴音「えへへ（ニコッ）。琴音の初お風呂の写真もあるの？」

父「琴音の時の写真もあるよ、ほら。琴音も最初の湯船はお父さんと入ったから。どうしても子供の初お風呂は一緒に入りたくてね。琴音は二人目だから、この頃はお風呂に入れるのもかなり慣れてたよ」

琴音「懐かしいな。昔は毎日一緒に入ってたもんね」

父「だいたいお母さんと健斗と琴音で入ることが多かったけど、週に一回くらいはお父さんとおまえたちで入ったよね。お父さんは子供たちとお風呂で遊ぶのが楽しかったよ」

琴音「お風呂でお話しをしてくれたよね。お父さんが子供の頃の遊びとか、身体の傷がどうしてできたか…..」

健斗「無人島に行った話とか！」