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「ガ、ガンタァ~イィィ~ッ」
フルフル震え、涙目、体プルプルの白狼が、哀願の声を向けた、何でもいいから、慰めとか、抱擁とか、こんな時にガイストがいれば…しかし、当のガンタイはと言えば…
「やっべ、あの子、マジで温室育ちの未開発ぅ。闇なのに、穢れねぇ超希少価値ぃぃ!!
なぁ、オイッ5分くれよ。5分!ねぇ、5分でいいからさ。5分とちょっと個室あれば、
全部、事が済んでのバージンブレイクだからさぁっ!!」
「いや、班長、不味いですって、隊長にも言われてますし、やりすぎと介入は
良くないっすよ。」
ガスマスクとガンタイの会話は全くの意味不明。だけど、今は、今はぁっ…
「ガンタァイ~」
ようやく気付いた彼女が、こっちに素早くかけより、顔全体を覆うように抱きしめる。
「あっ、オッケー、オッケー、ゴメンねぇ、白ちゃん!ガンタイ!ちょっとハイ☆ボクゥ!!
な感じになっちゃったねぇ~。ゴメン、こっちも知らなかったよ。
そっか、するとあれだね~、ガイストはだいぶ、君に何も見せずに努力してきたんだねぇ。
今回の事も含めてさ。」
「知らなかった。全然、知らなかった。こんな事が起きるなんて、僕はただ、
アイツ等みたいになれなかったから、その仕返しに…」
「わかる、わかる。あの子達は眩しいからねぇ。でもね。ガンタイが言うのもなんだけど、
君と同じくらいの“苦労”をしてるんだよ、彼女達も。」
「苦労?」
「正義の味方って、見た目華やかだし、奇跡とか幸運に守られてる存在に見えるけど、
実際はかなり大変でね。最初から能力がある奴等は、その力ゆえに迫害されるし、
平和な時代においては、無用。忌み嫌われ、追われる存在だよ。昔の白ちゃんみたいにね。
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