白狼無知で反逆戦線

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言葉と共にアームスを起動させた。全身に衝撃が走り、それを抑えようとする逆の衝動が、 痛みとなって全身を駆け巡る。両方の力が白狼の体でせめぎ合い、 今にも全身を砕かれそうだ。 だけど、ここで死ねない。死ぬわけにはいかない。絶対に諦めない。諦めるわけにはいかない。負けない、負けてたまるか。 「負けるもんかぁぁ!!」 狼としての本能を込めた咆哮が“何か”を繋げた。全身の痛みが暖かく強い力に変わる。 「上出来だ。白ちゃん。」 白狼の後ろから、ガンタイが嬉しそうな声を上げた…   「一気に突撃と行こうぜ!野郎共ぉ。」 ガンタイの一声と共に味方の本拠地となっている塔を目指し、重武装ヘリが飛び上がる。 地上を歩く同僚達はガンタイの部下達がヘリの入口に取り付けた 12.7ミリのドアガン(機銃)で蹴散らしていく。 取りこぼした敵は、地上に残った同人の仲間達が各自対処していくとの事だ。 ヘッドセットを装着し、あちこちに指示を送る彼女を見て、白狼は 思わず尋ねずにはいられない。 「最初から準備をしていたの?こうなる事を予測して。」 「勿論、全てこみこみだよぉ~。都内各所に怪人共を“殺せる装備を持った部下”を 配置している。正義サイドの連中も、何人かは既に確保しているし、 悪を完全撲滅とまではいかないけど、少なくとも負けにはならないよ。」 「そっか…なんていうか、ありがとう。礼を言うよ。」 自分は何も知らなかった。ただ、戦いに勝つ事だけを考えていた。その後に何が起こるかを考えもせずに…教えてくれたガンタイに感謝を示したつもりだ。
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