白狼無知で反逆戦線

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一体、彼等は何者だったのだろう?“同人”と名乗った以外、何もわからなかった。 あらゆる世界を旅してきたと言っていたが、彼等も居場所を探しているのだろうか? それとも… 「ここじゃ駄目だったの?」 答える声はない。でも、またいつかどこかで、会う気がする。その時は、成長した自分と 変化した世界を見せよう。平和な時代、新たな戦い、どっちだっていい。 「行くか!白。」 「うん、ガイスト。」 決意を新たに笑顔として見せる。二人はそのまま市街に向けて降り立っていった…  「班長?いいんすか?ここに残ってもよかったんすよ。」 手を振る白狼を見つめるガンタイに、ガスマスクの部下が声をかける。味方は順次撤退。 自分達が最後だ。 「なぁ~に、アームスの実戦評価と新たな可能性も生み出せた。万々歳さ。それに俺達は 同人屋。志共にしてくれる奴等がいるなら、そこが戦場、居場所になるだろ?」 ヒラヒラ、手を振るガンタイ。白狼の柔らかい獣毛の感触が蘇る。あのまま残っていれば、 ガチでギブミー5ミニッツだった。やべぇ、やべぇと内心冷や汗ものだった。実際の所… そもそも同人屋が固定ジャンルなど持つものではない。 奇跡も素敵も凌辱も全て一緒くたの活動内容。一か所に留まれば、その全てが姿を現す。 それだけはイカンと思う。絶対に。だから、さまよい続けるのだ。 (健全ジャンルやってた奴がいきなり凌辱に手ぇ染めたら、 ファン泣くだろう?経験ない?でも、俺達は好きにやりたい。 世界をメチャクチャしたいのよ。) 理解不能な妄言を心で呟き、秘かに笑う。そんな彼女に部下が訪ねた。 「班長、次は何処に?」 口元が耳元まで裂けるように笑わせ、答える。歓喜と嬌声、狂気の戦場、さてお次は何だ? 「萌え…いや、銃声のする方だ…!」…(終)
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