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「皆、大層、はしゃいじゃって、困ったモンだね。白ちゃん」
笑いながら、喋る彼女に人間達が近づく。それを冷たく銃であしらい、追っ払う。
(都合がいい奴等は大嫌いでね。)
と話した彼女に白狼自身、通ずるものがあり、それで会話をする仲になった。
ガイスト以外の者と親しくなったのも、正直、初めての経験だと言える。
だが、胡散臭いのは否めないし、これだけは言っておかなくてはならない。
「状況はわかるけど、味方を殺すなんて。」
「ええ~っ、白ちゃんだって、同じ事するでしょ?これは“やりすぎじゃない?”
ってさぁ?」
「でも、勝ったのは僕達の方だし…むぅーっ?」
ガンタイが喋る白狼の唇を、ひとさし指で押さえる。
「ハイハイ、そこまでだよぉ~。自分を偽らなくて大丈夫~
さっきのコイツ等との会話まる聞こえ~、
ホント、“悪”と言うより“武人”タイプだよね~?白ちゃんはぁ~」
ガンタイより数百歳年上の白狼だが、背が小さい事もあり、子供扱いをされていた。
不思議と悪い気はしないが、何か“むーっ”な感じはある。
そんな気持ちを代弁するように頬を膨らませてみせた白狼に、ガンタイの言葉は続く。
「まぁ、そもそもの話…こんな事は周りで起きまくりだし、
連れていかれた正義側サイドの子達もこれから、似たような感じになる訳だしぃ~」
彼女の言葉に自分の耳がピクンと動く。ガンタイが「ヤダ、可愛い!」と叫ぶが、
構わずに、尋ね返す。
「それ、どうゆう意味?殺さないで、普通の人間に戻すって、ガイスト言ってたよ?」
「うん、まぁ、能力は使えなくするわな。抵抗されちゃぁ、めんどくさいし。
勿論、殺さないよ。殺すの勿体ない。
代わりに“生き地獄”を味わい続けるのさ。彼等、彼女等は…」
「地獄?」
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