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煙と共に焦げ臭い匂いが漂い、ここに長居するのは危険に思われる。
「アイツのブレス? 半端じゃないですね。ここにずっといるのも危険かもしれません」
「だな。進むぞ」
ハーディングはウンザリしたような表情でコーネリアの手を引き、歩みを進める。
「というか、何でタローンの封印が解けているのかしら」
「神具はアースラメントに略奪されたというお話だったんじゃ?」
「お父様がそれだけ持ち去ったのかしら……」
3人で話をしながら、出来るだけタローンから距離をとろうとする。こちらに攻撃をしかけたのが、ただの気まぐれに過ぎず、姿が見えなくなったら気が変わる事を期待した。
しかし、地響きにも似た足音がこちらに近づいて来ることで、期待は落胆に変わった。
完全にこちらをターゲットとして認識してしまったのだ。
「神獣は領地を守る主の様な存在なの。敵と見做されたら、ローズウォールを出るか、殺すまで追いかけてくるんじゃないかしら?」
「それじゃあ、いつまでたってもアーロンさんに会えないですね……」
「コーネリア様、王の事は残念ですが、領地を出ましょう。貴女の命を守る事が俺の最優先です」
「ハーディング……、有難う。でも逃げる途中で攻撃をされ続けたら、領地の住人の命が危険に晒されるんじゃないかしら……?」
コーネリアの主張はもっともだ。タローンのあの範囲攻撃はターゲットだけではなく、その周辺の物まで焼き尽くすだろう。不用意に逃げる事で被害を甚大なものにするはずだ。
「再封印する事は出来ないんですか?」
近づきつつある足音にビビりながら、ジャックは尋ねる。
「神具が必要だし、タローンが封印されていた場所に行かなきゃならないわ」
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