10章

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「何となくですが、そこにアーロンさんがいるような気がします。もしかしたら神具を持っているかもしれませんし、他の手を知っているかもしれません。行ってみる価値があると思うんです。ヨウム、道案内してくれ!」 「オーケー!」  ヨウムが珍しく気のいい返事をしてくれたので、すこし緊張が緩む。 「俺が奴の目を引き付ける。2人で再封印に向かってください」  ハーディングは1人足を止め、手に眩い光を灯した。その光でタローンの気を引く気なのだろう。 「そんな! 貴方を置いて行けるわけないじゃない! いっしょに……、きゃぁ!」 ――ゴゴォォォォ!!  すぐ後ろが激しく燃え上がった。  タローンがまたブレスを吐いたのだ。  燃えた木の枝がバラバラと落ちる。    ジャック達の後方が火の海になっていた。 (あのブレス……、距離が長すぎる!)  何発も吐かれたら、いずれあのブレスを食らうだろう。 「2人共、早く行ってください。俺が食い止めます」  ハーディングの殺気だった面構えを見て、ジャックも覚悟を決めた。 「コーネリア様、ヨウムと一緒に行ってもらえませんか? 俺もハーディングさんとここに残ります。再封印をお願いします!」 (俺もここまでの魔獣との戦いで、それなりの力がついたはずだ……。どれだけ出来るのか、試してみたい)  コーネリアの顔が引き締まった。 「分かったわ! もしお父様がいなくて、手が見つからなかったら、すぐに戻って加勢する……。だからそれまで生きてて……!」 「イクゾ!」  コーネリアは先導するヨウムを追い、走り出す。  ハーディングの命を心配し、共にありたいと思っていたのかもしれないが、ジャックに任せてみようと思ったのかもしれない。 ――ゴゥン……ゴゥン……  足音と共に、機械じみた音が近づいてくる。 「気を抜くなよ、ジャック」 「分かってます……」
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