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咄嗟に構えたエクスカリバーが食い止めたのは、巨大な斧だった――刃の長さはジャックの身長を優に超える。
「武器を使えるのか……!」
「ぐ……うっ……、の……ようですね……」
とんでもない重さだった。
巨大な斧の重さにタローン自体の腕力と、振り下ろされるエネルギーの衝撃を受け、腕がどうにかなりそうな程の痛みを感じ、喋る事すらままならない。
肩や腕、背中の筋肉や節々が悲鳴を上げ、このままの状態でいると、身体がイカれてしまいそうだった。潰されずに済んでいるのはエクスカリバーの力によるものなのだろうが、それでもジャックの身体が耐えきれない。
(まだ鍛え足りないって言うのかよ……!)
ギリリと加えられる力に、一瞬の隙が生まれる。
ジャックはそれを見逃さず、渾身の力で斧を打ち返すと、後方に下がった。
腕や肩が、重みから解放されてもなお痛みが引かない。
(あんな斧にどうやって対処すれば……!)
ハーディングを見れば、彼の周囲には、魔術による古代文字が浮かんでいた。
さっきは彼が攻撃で巨人の注意を引いてくれたのかもしれない。
――何故……だ……
(え?)
頭に直接響くような声が聞こえた気がして、周囲を見渡す。
「俺の魔術を食らいな」
ハーディングによるものかと思ったが、彼の意識は魔術に向いている。
頭上に巨大なプラズマの塊を作ると、いくつもの矢の様なものがそこから、タローンに向かい発射される。
タローンはコバエを払うようにプラズマの矢を振り落とす。
「くっそ! 効かないのか! もっときついやつをお見舞いしてやらないといけないらしいな!」
――キサ……マ……何故その剣を……
ハーディングの攻撃魔術をもろともせず、タローンは間の抜けた顔でジャックを見つめる。
(アイツが俺に語り掛けてるのか?)
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