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周囲の木々が切断され、燃えながら左右に吹っ飛んだ。
「化け物め……」
ハーディングは、2人の目の前に魔術の障壁を2重にも3重にも張る。
「タローンには魔術が効いていなそうです。神獣は普通の魔獣とはわけが違うという事なんですか?」
「俺も神獣を相手にするのは初めてなんだ。これ程までに防御力があるとはな……」
タローンが直ぐ傍まで迫った。
巨人は障壁に、燃える斧で叩きつける。
――ガン! ギギギィ……
たった一撃で障壁に亀裂が入った。
(うわ……)
思わず目を抑えて空を仰ぎたくなる。
――ガン! ガン!
――バリン!
たった3発で障壁が割れてしまった。
「ハーディングさん……」
「……数で勝負だ……」
ハーディングはムキになった様に障壁を貼り続けるが、打ち破られるスピードの方が速い。
肩で息をし、大量の汗を掻くハーディングの様子を見ると、この状態が長く続かない予想してしまう。
(何か、何か方法は……)
ジャックは必死に頭を働かす。
(一か八かでやってみるか?)
「ハーディングさん! 俺のエクスカリバーに氷の魔術を行使する事は出来ますか?」
「他人の剣を魔剣化するのはやった事がないし、成功例も聞いた事もない。だがその剣ならもしかして、可能なのか?」
ハーディングは迷うような表情を見せるが、直ぐに迷いを捨て、ジャックの方に右手を向けた。
エクスカリバーの刀身に白い魔方陣が浮かぶと、みるみるうちに刀身に霜が現れた。
手をかざしてみると、痛いくらい冷気を感じる。
「成功しているみたいです!」
「よし!」
――無駄だ。青い石ころを介したエネルギー量、足りない……。
「やってみなければ分からないだろ!」
――バリン!
最後の障壁が破られた。
「ジャック! 俺はエクスカリバーの魔術をかけ続ける。お前は戦闘に集中しろ!」
「はい!……うわ!」
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