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2人の会話が終わるのを待つわけもなく、ジャックに対して斧が振り下ろされる。
それを危なっかしく避ける。
地面にめり込んだ斧をタローンは易々と抜き取り、ブンッと空気を切り裂く思い音とともに、斜めに振られるので、身を低くする事で躱す。
(奴の足元に潜りこめないか……?)
ジャックはタローンと斧の動きのパターンを観察する。
再びとんでもないスピードで振られた斧を転がるように避け、そのまま足元にダッシュした。
「食らえ!」
ありったけの力を込めてタローンの足にエクスカリバーを叩きつける。
――グゥゥ……!
タローンの身体がわずかに揺れる。
奴の赤く染まった足は、冷気を帯びたエクスカリバーを打ち込まれた部分だけ青銅色に戻り、細い溝が刻まれた。
(効いてるみたいだ!)
ちょっとした手ごたえに後押しされ、続け様にもう1撃打ち込む。
――小賢しい真似を!
タローンに確実にダメージを食らわせている事に考えがいきすぎ、ジャックは頭上への注意を疎かにしてしまった。
「ジャック! 避けろ!」
ハーディングの怒鳴り声を聞き、咄嗟に横に転がると、今までいた所に斧の刃が縦に突き刺さった。
体制を崩したジャックの身体は、容赦なくタローンに蹴り飛ばされる。
「ぐあぁ……!」
足や胸に激痛が走る。
(半端なく痛てぇ……。これ、骨が折れたんじゃ?)
あまりの痛みに逃げる事も出来ず、タローンに胴を掴まれ、そのまま巨人の顔の位置まで持ち上げられる。
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