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「そもそも、おばちゃんの旦那さんって、『大切な存在ができたので、離婚したいと思います』と、正月早々言い放った人でしょ?」
「よく覚えているのね」
婦人は、姪の言葉に苦笑した。
「あなたは、まだ小さかったのに」
「いや、この場面で言う、この人?って、まだ小学一年生だった私でも思ったもん。『君は僕を頼ってくれなかったけれど、僕を頼ってくれる存在が、やっとできたんだ』って。お爺ちゃんやお祖母ちゃんや、私達子どももいたのに。ってか、何故にあんなドヤ顔で言うことができたのか、不思議でならなかったわ」
幼い頃から目端が利き、頭の回転が速かった姪の言葉は、その時婦人が感じた思いでもあった。
正直、晴天の霹靂ほどではなかったが、驚きはあった。
「浮気」というものができる人だとは、思っていなかったからだ。
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