Ⅱ 桜と空部屋と自白強要

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 それは、もう、ほんと。  ほんとに、  「なんで起きとったら言わんねん!」  バカですか。あんたほんまバカでですか。寧ろバカなんは俺か。いやいや、でも普通起きとったら、  「えー。起きたら止めちゃうでしょ。お前」  「止めるわ!!そんな変態臭いプレイ最悪やんか!なんでそんときに言わんの?!あるいはなんで見て死ぬまで見ぬふりせぇへんの?!」  記憶から消したい!デリートしたい!いっそ俺が消えたい!足元崩壊する感じ。むしろ世界が壊れろ!壊れてしまえ!なんで俺はこんな。  恥ずかしくて消えたくなって膝を抱えてしゃがみこむ。  小さくなりきれない体をできるだけ小さく小さくしてみっともなくも俺はその場に頭を垂れる。それでも小さくなりきれんからやるせない。  「なんでそんな情けないとこばっかみるん……」  追い討ちをかけるように震える声。羞恥と動揺と、罪悪感と。  ほんま、俺は情けない。カッコ悪い。こんな姿ばっかり見せてる。
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