Ⅲ 卒業式ほっぽって取り敢えずセックスした。

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 こんなん見せつけられて自分からは動けんなん、生殺し。  「先輩、」  触りたい。俺の手ぇで。  「せんぱい、」  せやのに、握力の強い先輩の右手は、俺の両腕を捕らえて離さへん。  「せんぱい……ッ!」  バッッキバキに猛ったナニが先輩のアソコの前で反り返ってる。早く、挿入(はい)りたい。繋がりたい。  「どうしたいか、言ってみ?」  自分だって余裕がないくせに、赤い舌が上唇を湿らす。その舌に食い付きたい。ベットベトのぎっとぎとにしたい。心臓が破裂しそうに鼓動する。  好きが溢れ返って腰が浮く。かくかく揺れる。  「な、ココ、どうしたいか言えよ」  2本に増えた指が肉を割る。にちゃあって、ローションか体液か判らない糸を垂らして中の粘膜がひくついた。  「……いれっ……」  喉が乾いてパサパサで、声が張り付く。掠れる。上手く喋れん。入れたいって。繋がりたいって、滅茶苦茶にして、俺のにして、縛って離れないように。  ふふって、先輩は笑う。  その顔は、恐ろしいくらいに綺麗で色っぽくて、堪らなくて、手玉に取られてるというのがどう言うことか判った。  「いれ、たいっ」  ああ、敵わん。  「センパイん中、めっちゃくちゃに(おか)したい………っ」  好きや、好きや好きや。  不安も鬱も全部丸出しなまま、それでも最後は強気に笑って進むアンタが。  俺に追い付かれまいと必死なことを隠しもしないアンタが。  「いいよ」  「う、あ」  柔い肉に包まれる。熱くて、焼けそうで、悶絶して足をばたつかせる。  「ばっか、暴れんなっア!」  弓なりに反った体が綺麗やった。  眉間に刻まれた皺がカンノーテキやった。  潤んだ眼が、額に滲んだ玉の汗が、口から覗いた、小さく赤い舌が、  それら全て、俺のモンで、  あと一歩手の届かない熱望で。  どんなに追いかけて背伸びしても届かない憧憬で。  追い付きたい。愛されたい。これだけ愛されても、もっともっとが止まらなくなる。だから知らしめたい。アンタは俺のモンやって。俺はアンタのモンやって。  そうやって叫びながら、前を行くアンタを追い掛ける。  いくらでも、いつまでも。
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