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闇夜にぽつぽつと浮かぶ複数の謎の光。
それはギルドハウスの人間の持つ松明の明かりだった。
わたしたちはダンジョンを脱出したものの、ものすごく疲れていて、立ち上がる気力を失っていた。
「おーい、こっちだよーーー!」
わたしはなけなしの気力を使って、光に向かって叫んだ。
「待った! モンスターの目じゃないですか!?」
この期に及んで神経質な眼鏡男。
「ふぇぇ、マキナたん、見分けがつくのですぅ?」
レミィも不安げにわたしを見る。
そこで理解した。
わたし、夜目が利くようになってる。
いつから? ダンジョンマスターになってから?
ともあれ、声に気づいて人が駆けてくる。
こうしてわたしたちは救助された。
次の日。
甘ったるい香りで目が覚めた。
見覚えのある木造の天井。
住み慣れたわたしの部屋だった。
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