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第6章 阿修羅同盟
高天に破壊された左肩部が壊れた操り人形の様にブラブラ揺れながら、美亜の豪巌は大容量ロケットバーナーを全開で吹かして突進して来た。
高天は喜びも束の間、我れに帰って必死にでDA615を連射した。
美亜の豪巌は舞う様に連射を避けながら高天との距離を縮めた。
「逝っちまいなっ!!」美亜の豪巌は高天との距離をゼロにすると、全装備の円舞楯を構え高天の刃我向けた。高天は悲鳴も出なかった。
「撤退するっ!!」美亜の耳に悲痛な純姫の声が響いた。
愛蘭は自分の目を疑った。敵の旧式の機人が愛蘭が撃ち出した円舞楯を足場にして駆け上り自分の豪巌に迫って来たのだ。
「…どうなっているの?…」愛蘭は関心無さげに疑問を呈した。
頭部を除き、刃我の薙刀で切り刻まれた豪巌は大地に叩きつけられた。
大典を狙っていた純姫の円舞楯は在らぬ方向へ飛び去り、超硬度ワイヤーは切り離された。
「…運がいいね…」固まる高天の刃我を置き去りにして、美亜の豪巌は静かに後方へ下がった。
「生きているね?…愛蘭?…」純姫は大事そうに愛蘭の豪巌を引き起こすと、美亜を待ってゆっくりと後退して行った。
「どうなってるの?…」冷静さを取り戻した美亜が愛蘭に聞くと
「…カンフーマスター…」愛蘭は関心無さげに子どもの頃に観た映画の題名を言った。
それから、数カ月後…三人は機人を積んだ大型貨物船にの上にいた。
この間の凍原境での功績が、上位の軍事経済産業組織「阿修羅同盟」に認められ、
通商連盟側からレンタル移籍と言う形で阿修羅同盟側の任務に着こうとしていた。
通商連盟側の人事官は、それはもう嬉しそうに普段なら絶対に用意しない茶菓子と珈琲を三人に振る舞い、絶えず笑みをこぼしながら接待した。
通商連盟側が阿修羅同盟側に提示したレンタル料金がかなりの高額なのが見てとれた…
「あいつ(人事官)…気持ち悪かったな…」李大典は呆れて言った。
「ほんとに…気持ち悪かったですね…」張高天も同意した。
「…そうなんですか?」人事官をあまりよく知らない焔万里は不思議そうに二人を見た。
阿修羅同盟側に来て驚いたのが、ユーラシア大陸の東に位置する巨大な機人の工場に連れてこられた三人は、自分達の刃我が見たこともない器具で分解され完全オーバーホールを受けていたからだ。
「凄い…新品同様になるんじゃないですか?」高天は興奮を隠しきれずに言った。
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