第2章 レンタル勇者

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「す、すみません、勇者様! ですが―――」 「ですがも何もないですわ! いいから御父上に謝りなさい! これは全て私が頼んだことなんですから!」  言い訳をしようにも彼女は全く取り合ってくれず、完全に父の肩を持っていた。というか…… 「えっ!? 自分から頼んだ!?」  あまりにも衝撃的な言葉が飛んできたものだから、俺は思わず叫んでしまった。聞き間違いか!? とも思ったが、彼女はコクリと小さく頷くとこう言った。 「そうよ。テオ様の御父上のことをご主人様と呼ぶことも、私が彼からシズクちゃんと呼ばれることも、全部!」 「―――ッ!?」 (な、なんだってーー!?)  俺はその言葉を聞いて、本日2度目となる『開いた口が塞がらない』という現象に見舞われてしまったのであった。
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