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「悪かった、親父!」
全てを把握した俺はとりあえず、先程勇者様に言われた通り父に頭を下げた。まさかそんな裏話があったとは、想像もつかなかった。というか、こんなの能力者じゃなきゃ気付かんわ! って話なのだが、またキレたら目の前にいる勇者様に今度は何をされるのか分かったものではないので、とりあえずこの場は謝るしかなかったのだ。
それを聞いた父はポリポリと頭を掻きながら、
「いやいや、俺の方こそ何の説明もしなくてすまなかった。まあそれよりも―――いやー、やっぱシズクちゃんは勇者なだけあって凄いな。いつの間に手を振り払われたのか全然気付かなかったよ。凄い、凄い」
そう言って、先程振り払われた手を今度はシズクちゃんの―――頭の上に置き、ポンポンと軽く叩いていた。
「ちょっ―――!?」
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