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(あ~、もう、俺なんてこと言ってんだ!?)
自分で言っておきながら俺は、その無茶苦茶な命令に自分でも驚いてしまっていた。まさか、咄嗟に出た内容がこんなものだとは。出来るだけマシなものにしようとしたのに……しかし、こうなってしまえばなるようになれだ。
そして、勇者様はというと、彼女もまたその予想外な命令に顔を上げ、えっ!? という表情で目を見開いていた。
しかし、すぐさま立ち上がると、
「はい、テオさ―――テオ!」
と、噛みそうになりながらも俺の名前を呼んでくれた。それを聞いた俺はうちの新たな目玉商品である勇者様ことシズクの手を取ると、
「そんじゃまあ、そういうことで親父、この子ちょっと借りてくぜ!」
と言って、勢いよく店を飛び出した。
「全く、さっきまで勇者様、勇者様言ってたお前がもう呼び捨てかよ―――というか、金払えーー!!」という、父の叫び声を後に。
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