第2章 レンタル勇者

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(さ~て、今日は何を討伐しに行こうかな。とりあえず、冒険者ギルドに新しいクエストが入ってないか聞きに行くとしよう。今日はシズクもいることだし、難易度いつもより高めでいいか)  父の店を後にした俺はそんなことを考えながら、冒険者ギルドへと続く道に足を運ぼうとした、その時だった。クイクイと、突然左手が引っ張られた。 (ん……?)  何事かと思って引っ張られた左手の先を見てみると――― 「あの……テオ……」  俺に右手を掴まれたままになっていたシズクが、恥ずかしそうに顔を赤らめてこちらを見ていた。その目は、いつまでこの手を握っておられるおつもりなのですか? と問いかけてきている。 (―――ッ!?)
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